中川政七商店 栄中日ビル店

『美しき秩序と有機的なマテリアルの融合』

日本の工芸を元気にする
を理念に掲げ、工芸業界を牽引する中川政七商店の空間デザイン

中川政七商店らしさとは何か、奈良らしさとは何か、また日本らしさとは何か、を原点回帰し、そのフィロソフィーを私たちなりに解釈し、再構築するプロジェクトである。

先人からの永く深い思考、知恵、経験を丁寧に拝借し、未来につながるデザインを目指した。
そこで、空間デザインのコンセプトを『美しき秩序と有機的なマテリアルの融合』とした。

『美しき秩序』
日本人が最も美しいと感じる白銀比(大和比)を用いる
法隆寺の庇にも使われている、この奈良の比率で、壁面の高さ、什器サイズ等を決定した

『有機的なマテリアル』
奈良吉野の桧
奈良の赤膚焼の土を顔料に用いた左官
神寺仏閣に欠かせない、鉄や銅

この二項を融合させ、日本の風土と人が育む工芸を空間でも表現し居心地の良さをベースに新しくも普遍性のある空間、美しくも柔らかな空間をいわゆる「センス」という不確かなモノ以上の思考で表現した。

日本のアイデンティティでもある工芸を本気で守ろうとする姿勢に感銘し、その尽力に少しでも貢献できることを誇りに思う。
店舗空間で感じたエモーショナルな体感、記憶を日常生活に緩やかに落とし込んでもらうことを切に願っている


所在地 :愛知県名古屋市
用 途 :物販
面 積 :129.08㎡(39.05坪)
竣 工 :2024年4月

Photo by Sohei Oya / Nacasa&Partners Inc
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