天風良 にい留
本日「天風良 にい留」オープンしました。
今回移転に伴い、再び一緒にお仕事させていただける事に感謝と共に、自分たちにとってもさらなる挑戦でもありました。
茶道の世界では「一座建立」という精神が大事とされています。
招いた者(亭主)と招かれた客の心が通じ合い、気持ちのよい状態が生まれる。
今回携わらせていただいた「天風良 にい留」様のおもてなしには茶の湯の考えに似ている点があります。
それを基本趣旨と考え、構築していきました。
店主と客人がカウンターを挟んで身分の隔てなく一会を共にする。
店主は客人を気持ちよく迎える為に準備をし、
客人は手入れをされたアプローチを通り、戸を引きます。
戸を引くことで一会の進行を意味し、ここより別の世界へと進むことになります。
店内は店主にとって「もてなしの場」であり、「用途や客への配慮からの工夫」が至るところに施されます。
本プロジェクトに当たり、たくさんの書物を読み、茶室建築についてもたくさん学びました。
現実的な使い勝手と伝統技法のバランスのとり方は簡単ではありません。
ここでは「和」の基本は守りつつ、精神的な個性がある「にい留好み」(好みとはその人がその人の考えで直接建てたという意味)を表現しました。